Normal Position

「これから始まりますよ」ということで、自己紹介的なタイトルトラック。

冒頭の”Hello,My name is daisy”はスピーチシンセに喋らせました。

エレキギターのフレーズはCRUNCHの堀田さんによる演奏。

最初はラップにしようかと思ったけど、リズムに乗せて喋るので精一杯。内容はいつも通りネガティブ全開だけど、途中から開き直って、気持ちよくなっちゃってます。

ボサノヴァ?タンゴ?インド?・・・インチキ風に色んな音楽の要素をどんどん詰め込んだのは、小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド『アメリカン・ラヂオ』からの影響。

『ノーマル・ポジション』全曲解説 (by Sayoko-daisy)

 

 

 

Strawberry Future

1stミニアルバムを出した直後、「もうやりつくしちゃった感」の中で作った曲。

自分の境遇を歌詞にするのも、曲調も、坂本龍一氏の『フロントライン』からモロに影響受けてます。それまでは歌詞なんてメロディにハマれば何でもいいと思っていたんですが、この曲からは露骨に自分の想いを反映させることが増えました。

 

小学生の弟はこの曲がいちばんのお気に入り。でも、サビのところが「ショベル車か?」に聴こえるそうです。

Warm Lights

ひとり多重録音コーラスに挑戦。普段、コーラスはだいたいマイクの前に立ってからその場で考えるのですが、これはさすがに譜面を書きました。たまに「わっぱっぱらっぱ♪」というところが金井克子さんの『他人の関係』みたいだと言われますが、

・・・実はほんまにそれが元ネタなんですわ。

コーラスよりもメインの歌のほうが大変でした。音源提出期限が迫る中、最後の最後まで悪あがき。

歌詞は、友人達のことを歌ってます。私の友人は猫好きが多いのです。


NHK-FMやRKBラジオ『ドリンクバー凡人会議』でかけていただいた、思い出の曲。

返事

歌詞と曲は比較的すぐにできたものの、気持ちの面でなかなかうまく歌えなかった曲。録音を先延ばしにしているうちに気管支炎になってしまうわ、薬の副作用による聴覚異常が出るわで、大変でした。

これも教授の曲を意識して作りましたが、音色作りはなかなかうまくいったと思っています。基本的にシンセくさい音は内蔵orフリーのソフトシンセしか使っていません。この曲でもフリーシンセsynth-1が大活躍。

 

悩んでばかりの私にいつもアドバイスをくれた、音楽仙人に捧げます。

もう一度何処かで巡り逢える、はず。そうしたら、あの時の返事をします。

ニアミス

これを作った頃は坂本慎太郎さんのアルバム『幻とのつきあい方』がお気に入りで、特に『君はそう決めた』をよく聴いていました。パーカッションやコーラスのあたりに影響が出ているのではないか、と思います。

こちらもCRUNCHの堀田さんにギターを弾いていただきました。
「これは堀田さんのギターなら間違いなくハマるでしょ!」と丸投げしたところ(ひどいな!)、元々打ち込みで入っていたギターパートにアレンジを加えた2トラックが送り返されてきて、想像以上の仕上がりにびっくり。おかげさまで、いつもとちょっと違ってアコースティックな雰囲気です。

SUBLIMINAL

東京でライブをした帰り、台風の直撃を受けました。夜行バスはなんとか出発したものの、風で車体は揺れ、雨は叩きつけるように降る。それが気持ちとシンクロして、三重に着く頃には半分くらい歌詞ができていました。曲のラストでだんだん激しくなるオルガンと叫び声(どっちも1発録り。特に叫び声は近所迷惑ですから)はバスを降りて心身ともにグッチャグチャになったシーンを再現しています。ちなみにこの部分、本人的にはスラッシュメタルを意識したつもり。打ち込みですけど。

Teach Your Beat

バンヒロシさんの名盤『バンちゃんとロック』に収録された『いかすぜこいつ』と『世界は君を愛してる』の姉妹曲を勝手に作りました。バンさんご本人にVOXをお願いしたら歌詞やアレンジのアドバイスをたくさんくださって、直してるうちに(これは私ひとりで作ったとは言えない・・・)となり、勝手に共作ということにしてしまいました。とんでもない曲です。ややこしいコードは一切使わないよう意識して、ストレートに仕上げました。

神様もトリコにしてしまう「宇宙のRock'n'Roll Boy」はもちろん、バンさんがモデルです。

 

「ん~、もう一回!」

回想列車

シティ・ポップとはなんなのだろう。奈良で育った私が描く「シティ」に登場するのは、近鉄電車、行基像のある噴水、三条通、そしてレコードショップ・ジャンゴでした。思い出の場所はどんどん消えていき、この数年ですっかり変わってしまった奈良の街。でも私はそんな奈良とジャンゴが大好きです。

素晴らしいカッティング・ギターとソロを弾いてくださったのは、ヴィンテージロックバンドPaisley PheasantのHiroyuki Itoさん。昔からずっと自分の曲にカッティングが入ることを夢見ていたので、デモが届いた時は鳥肌が立ちました。

 

私が世に出るきっかけを作ってくださった、ジャンゴの松田店長に捧げます。

Sweet Secret

「Lioのバナナ・スプリットみたいな可愛くて踊れるテクノポップを作ろう」と思っていたのですが、キックをドスドス言わせ始めたらLioのことはすっかり忘れてしまいました。

歌詞は、とあるスキャンダル記事がモチーフ。「思い通りにならないなら、バラしたるぞ!」・・・開き直った愛人の歌。遠い世界の話です。

Bメロの「ぷしゅん!ぷしゅん!」の音は、夫(リアルタイムYMO世代)に手伝ってもらって作りました。

作ってて楽しかったし、お気に入りの曲です。

Chime!

高校生ぐらいのときに作りかけて放置してあったメロディをサビに再利用、12年経って日の目を見ました。

何を意識するでもなく素直に作った曲ですが、周囲からの評判はなかなか良いのです。

これはお嫁さん視点の歌ですが、『歩けない時は一緒に立ち止まる』っていうのは、消極的にも聞こえるけど大事なことだと思っています。グイグイ引っ張ったり、背中を叩いて励ますのもいいけど、黙って寄り添ってくれる人の存在ほど支えになるものはありませんから。

ちなみに『両手でぎゅっと想いを込めて』というのは、おにぎりを握ってるシーンです。なので仮タイトルは『おにぎり』でした。

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いかがでしたでしょうか。
一年半かかってようやく完成させたアルバムですが、我ながらしっかり想いは詰め込めた気がしています。
曲を作って、打ち込んで、歌を録って、編集して・・・という作業を単純に10回繰り返しただけではアルバムとは呼べないもんで、取り掛かってから何度となく「もうやめよう」と思ったし、ひとりでやっていると何が目的なのかわからなくなって、自信をなくしたこともありました。
ここまで辿りつけたのは、周囲の皆さんの支えがあったからです。
「いつかミュージシャンになってCDアルバムを出したい」という子供の頃からの夢が叶い、穏やかな気持ちでこれを書いていますが、これからがまた始まりなのですね。たぶん。

想いが届きますように。


2014.10.09
Sayoko-daisy